【奥秩父】両神山登山 秩父奥地の修験道を訪ねる百名山の旅

2017年6月10日(土)

梅雨の合間の晴天を狙い、秩父が誇る百名山、両神山に出かけました。秩父の奥地に佇む名峰を訪ねる、私にとって百名山デビューの旅の始まりです。

両神山(りょうかみさん)
標高1723m。日本百名山奥秩父山塊の北東部に位置している山。ギザギザとした稜線の形が非常に特徴的で、この地域の山にしては珍しく、一目で両神山だと分かる山容である。登山道も何種類か引かれているが、有名なのは日向大谷から登る表登山道(および途中で分岐する七滝沢)とギザギザとした稜線部分を進む鎖場天国の八丁尾根だろう。公共交通機関でアクセスできるとはいえ、所要時間等を考えればアクセスが良いとは言えず、その分秘境感が強い山でもある。

両神山は、武甲山三峰山とともに秩父三山の一角を成す山です。ちなみに、三峰山とは、妙法が岳白岩山雲取山の三山の総称のこと。もはや三つじゃないよね、と思うのは私だけでしょうか…。素直に両神山、武甲山、雲取山とすれば良かったのに。

地図・行程

広域図

奥秩父山塊の北東部に両神山は位置しています。秩父からバスでアクセスしますが、なかなか距離がある印象です。

今回のルート図

今回は日向大谷口から最も有名な表参道を往復するルートを選択しました。鎖場で有名な八丁尾根のルートも機会があればぜひ訪れてみたいルートです。

山と高原地図は「雲取山・両神山」編。雲取山など奥秩父の山々と一緒に掲載されています。首都圏のハイカーは使用する機会も多い地図でしょう。

日向大谷バス停(9:55)~会所(10:29)~清滝小屋(12:02)~両神神社(13:07)〜両神山山頂(13:40-14:13)〜両神神社(14:35)〜清滝小屋(15:07-15:34)〜会所(16:31)~日向大谷バス停(17:03)
【所要時間】 7時間18分 (行動時間6時間18分 休憩時間1時間0分)

秩父の最奥地へ、登山口までの長い道のり

梅雨の合間の貴重な晴れ間を狙い、秩父の最奥地までお出かけです。

秩父は近いようで意外と遠い。自宅から2時間以上かけて、まずは西武秩父駅まで向かいます。西武鉄道の特急、レッドアロー号は所沢→西武秩父間が500円、池袋→西武秩父間でも700円と特急に乗ることに全く躊躇しない値段設定なのが嬉しいです。

それにしても、電車内はガラガラでした。この時間帯の中央線・京王線・小田急線は奥多摩や丹沢に向かう登山客で賑わいますが、少し様相が異なるようです。

7:42、西武秩父駅到着。西武秩父駅は非常におしゃれなデザインでした。それにしても良い天気ですね。梅雨時と思えないほど綺麗な青空です。

西武秩父駅は内装もおしゃれでした。こちらは夜撮影したものですが、ロッカーまで駅舎のデザインとマッチしていて徹底しているなあ、と。

西武秩父駅を出ると、秩父のシンボル武甲山がお出迎えしてくれます。石灰岩採掘のために山肌が削られて特異な姿となり、ものすごい存在感を放っています。

さて、ここからはバスを2本乗り継ぎます。登山口までバスに乗ることは多いですが、バスの乗継はなかなか珍しいですね。西武秩父駅→薬師の湯で乗り換え、薬師の湯→日向大谷(登山口)と移動します。バスは合わせて500円です。

10人くらいの団体客が2組いたので、小さなバスは立ち客も含めて満席でした。一本後の特急でもギリギリ間に合ったのですが、一つ早い電車に乗ってきたお陰で座席確保できました。バスで座れないと結構体力使ってしまいますからね、良かったです。

と思ったのも束の間、薬師の湯で乗り換えるバスには三峰口駅から乗車して来た乗客がすでにたくさんいて、我々乗換勢も含めて超満員。当然座れるわけはなく、捕まるところもあまりなく、辛い山道となりました。座りたければ、三峰口駅から乗らないとダメなんですね…

なんとか登山口まで到着しました。マイカー組もかなりいるようで、すでに駐車場は満車でした。池袋から約3時間半、バスだけで1時間半近くとなかなかの長旅です。登山のコースタイムとバスの時間もギリギリの関係ですし、車で来るべき場所かもしれません。

登山口の時点ですでに気持ちいい景色です。一面緑。

修験道を辿る山頂への道のり

登山口にはカウンターがありました。小さくて見づらいですが、私が押す直前で「6115」となっています。帰りに幾つになっているか楽しみですね。

暖かい看板に見送られ登山開始です。

さすがは信仰の山。立派な鳥居がありました。特に表参道とも言われる日向大谷からのコースは、修験道の名残もあり祠や石像などが各所に配置されていました。

比較的序盤から鎖もちらほら出現します。まあこれは鎖なくても登れる程度ですが。

かなり細い道も出て来ます。写真で見るとそれほどでもないですが、かなり歩きにくいし、左側は相当急な崖です。足を滑らせたら…という箇所は比較的多かった気がしますね。

七滝沢コースとの分岐点です。七滝沢コースは遭難・滑落が多いコースとのこと。道中の景色が良いという評判なので、もう少し技術・体力をつけたら行ってみたいですね。

前半は沢沿いをひたすら進みます。涼しげで良いですね。

「山道」って雑すぎませんかね。

少し急な坂が増えて来ます。「八海山」という看板が。山の名前被りはよくあるので別に気になりませんが、この地点は全くピークでもなんでもなく、登り坂の途中にあることが不思議でした。

弘法之井戸という水場。山の水は冷たくて美味しいです。通りがかった元気なおじいちゃんが、「ご利益あるよ」ってしきりに言ってましたが、冷えた美味しいお水にありつけるだけで十分なご利益です。

清滝小屋に到着。昔は有人の山小屋だったようですが、今は無人の避難小屋です。小屋の前には屋根付きの食事スペースもあり、日帰りハイカーにもありがたい存在です。

小屋脇の道を上がっていきます。山荘の裏はテント場になっており、数張のテントが張られていました。

ここから一気に登ります。体感ではこの小屋直後の登りが一番キツかったです。

七滝沢コースと合流し、更に登ります。

ようやく尾根上へ。しかし、まだまだ登ります。

ここまでは展望はほぼ皆無でしたが、ようやく少しずつ視界が開けて来ました。

鎖なんかも出て来て、まだまだ登ります。

両神神社の鳥居が見えて来たら、ようやく急な登りは終了です。それにしても、こんなところに神社を作ってしまうなんて、本当にすごいですね。

両神神社を越えると、若干高度を下げます。

再び高度を上げ、視界が開けてきたら山頂も間近です。

右寄り奥に見える特徴的な三角形が秩父の象徴、武甲山です。空は雲に覆われてしまいましたが、両神山から四阿屋山まで続く稜線が綺麗です。

最後まで気が抜けない鎖場が続きます。高度感が出てきますし、疲れてきている所なので気を引き締めましょう。

西側も景色が見えてきました。奥の山々は甲武信ヶ岳など奥秩父の山々でしょうか。

両神山頂到着!百名山の割に、山頂標が地味だなーと思うのは私だけでしょうか。

日本観光地百選の記念碑。日本の観光地で百選に選ばれるって、結構すごくないですか?山だけではなく、全ての観光地で百選ですよ?

山頂はあまり広くないですが、端の方でのんびりできたので、帰りのバスに間に合うよう下山開始です。

下山〜私と鷹と犬〜

両神神社まで戻ってくると、鷹がいました。もちろん野生ではないです。犬連れて登山している人は見かけますが、鷹連れている人はさすがに初めてです。

清滝小屋まで下りて、遅めの昼食を摂ります。清滝小屋には高校生の集団がいました。携帯の電波が入らないと騒いでいて、かわいいなあと。

帰りは例のごとく写真撮っていないので、一気に登山口まで飛びます。例のカウンターは「6115」→「6148」になっていたので、私を含めて33名増えたようです。

登山口脇の両神山荘でサイダーを飲みつつバスを待ちます。犬が全力でだらけていました。うらやましい…

再びバスに揺られること1時間以上、西武秩父駅まで帰ってきました。朝と変わることなく、武甲山が見守ってくれています。

西武秩父駅には、西武鉄道が運営している温泉「祭の湯」が隣接しているので、こちらで汗を流します。

実はこの祭の湯、2017年4月にオープンしたもののレジオネラ属菌が基準値を上回っていたため営業休止、そして前日6月9日に営業再開したばかりでした。大人一人1030円と少々お高いですが、オープンしたばかりということもあって非常に綺麗かつ設備も整っていて、十分満足できるクオリティでした。

風呂上がりに、フードコートで秩父名物わらじかつを食べました。すごく美味しいのですが、この類は途中で飽きますよね。大盛りにしなくてよかったです(笑)

帰りはのんびり準急で帰りました。のんびりしすぎて池袋に着いたのは22時すぎ。帰り道、早くも足がつりそうになって困りました。

まとめ

前回も同じようなことを書きましたが、やはり評価される山には相応の理由があります。

爽快な沢沿いの登山道

歴史を感じる修験道の跡

そして楽しい鎖場

他にも鎖場天国の八丁尾根七滝沢コースなどルートも多く、ぜひ再訪したいと思わされる山でした。

また一つ、私の地図に新しい頁が増えました。次の山行も幸せなものになることを祈って。

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