【プレビュー】2020Week3,4(全豪オープン)

お久しぶりです。3ヶ月以上ぶりの記事になってしまいましたが、今年も頑張っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

例年、テニスシーズンの本格始動を告げる全豪オープンですが、今年はATPカップで熱戦がトップ選手たちが熱戦を繰り広げた影響もあり、「あれ、全豪ってまだこれからだっけ?」なんていう錯覚を起こしています。

我々の錯覚はどうでもいいですが、トップ選手達のコンディションにどのような影響があるのか、興味深いところです。

画像出典:https://www.atptour.com/en/news/2020-australian-open-prize-money

全豪オープン(オーストラリア、Gland Slam、Hard)

全豪オープンといえば、過去10年間の決勝進出者述べ20回中18回がBIG4(残る2回は2014優勝のワウリンカと2018準優勝のチリッチ)ということで、17年連続BIG4が優勝しているウィンブルドンよりも決勝進出者という意味では支配度合いが強い大会となっています。マスターズ以下の大会では世代交代の足音が着実に聞こえてきていますが、グランドスラムにおいては、全米以外ではナダル・ジョコビッチ・フェデラーに割って入る隙は限りなく小さいようです。

ATPカップ初年度、オリンピックイヤーと何かと区切りの年となる2020年の流れがどうなっていくのか。当たり前ではありますが、全豪が持つ意味は大きいです。

※Rankingは1/13付(アデレード、オークランドなどは未反映)

▪️ナダル山
【表1】ナダル山

第1シードは昨年のファイナリスト、[1]ナダルです。ATPカップではエンジン全開という様子ではありませんでしたが、デミノーや西岡に手間取りながらもしっかりと勝ち切るあたりはさすがの一言。彼を倒すのはやはり今年もとんでもなく難しそうです。ただ、周りにはやや怖いシード勢が集まり、油断はできない状況です。

順当にいくと3回戦で激突するのが[27]カレーノ・ブスタ。昨年4回戦で錦織と死闘を繰り広げ、試合終了後にラケットバックを放り投げたのは記憶に新しいのではないでしょうか。あのようなタフマッチはナダルとしては何としても避けたいところです。

4回戦で当たる可能性があるのは[16]ハチャノフ[23]キリオス。どちらも上限が高い選手なので、注意が必要です。特にキリオスは背負う物があると強くなる選手。災害に見舞われた豪州を勇気付けるため、とモチベーションは十分なはずです。対ナダル3勝4敗とナダルの天敵としても有名で(勝率5割に満たなくても天敵と言われるのがナダルの凄さ…)、キリオスが元気に勝ち上がってくるようだと面白い展開になりそうです。

日本勢では内山がイメール兄弟の弟M.イメールと激突。グランドスラム初勝利に向けて、十分にチャンスのある相手です。ぜひ2回戦でハチャノフと対戦してほしいものです。

反対側のトップシードは[5]ティエム。ATPカップではフルカッチ、チョリッチに敗れるなど決して好調とは言えない様子でしたが、全豪にどれだけ合わせて来れているでしょうか。昨年終盤は北京・ウィーンで優勝、ATP Finals準優勝などハードコートでも力をつけてきている印象なので期待したいです。

[20]アリアシム[29]フリッツはATPカップを見る限りではやや不調か。ティエムの対抗馬は[10]モンフィス、帰ってきたアンダーソンと言ったベテラン勢が中心となりそうです。特に、ATPカップでジョコビッチ相手にタイブレーク2本まで肉薄したアンダーソンには、復帰早々大仕事をやってくれるのではないかと期待が高まります。

【SF争い予想】

本命:[1]ナダル

対抗:[23]キリオス、[5]ティエム

穴:[16]ハチャノフ、アンダーソン、[10]モンフィス

【1回戦の注目カード】

[Q]グルビス vs [20]アリアシム

マナリノ vs [5]ティエム

▪️メドベーデフ山
【表2】メドベーデフ山

もはやナダル、ジョコ、フェデラーの3強と並んで優勝候補筆頭と言っても誰も違和感を持たないでしょう。[4]メドベーデフはATPカップでもジョコビッチに惜しくも敗れたものの4勝、万全に近い状態と言っていいでしょう。タフな選手ではありますが、SFまでなるべく力を温存することができれば優勝がはっきりと見えてきそうです。

そんな若武者に相対するのが[28]ツォンガ[15]ワウリンカ[19]イズナーと言った歴戦のベテランたち。特に全豪との相性も良い優勝経験者のワウリンカが一番の鬼門になりそうでしょうか。

反対側のトップシードは[7]A.ズベレフ。GSが苦手と言われて久しいですが、それに加えてATPカップで3連敗するなど不調。かなり苦しい戦いが予想されます。

対照的に絶好調なのが[11]ゴファン[17]ルブレフの2人。ATPカップでナダルを下したゴファンと年初からドーハ・アデレードと2大会連続優勝を果たしたルブレフはQF進出の最右翼でしょう。

ノーシード勢で注目したいのは、ATPカップでフォニーニ、イズナーを破ったルード。順当に行けば2回戦でA.ズベレフと当たるドローですが、状態によっては十分チャンスがあると思います。

日本勢では杉田[Q]ベンシェトリとの対戦。1年以上ぶりにTOP100まで帰ってきました。2年ぶりのGS勝利へ、思う存分暴れてほしいです。

【SF争い予想】

本命:[4]メドベーデフ

対抗:[11]ゴファン、[17]ルブレフ、[15]ワウリンカ

穴:[7]A.ズベレフ、[28]ツォンガ

【1回戦の注目カード】

[4]メドベーデフ vs ティアフォー

[11]ゴファン vs シャルディー

▪️フェデラー山
【表3】フェデラー山

6度の優勝を誇る[3]フェデラーももちろん優勝候補筆頭です。昨年は4回戦でチチパスに敗れたものの、全豪通算97勝ととんでもない記録を作っています。順当に行くと今大会3回戦が通算100勝目に当たる試合となりそうですが、その相手と予想されるのが絶好調の[31]フルカッチ。ATPカップではティエム、チョリッチ、シュワルツマン相手に3連勝。今シーズンはさらなる飛躍の年になりそうです。

[13]シャポバロフ[18]ディミトロフもATPカップでは良いプレーをしていた選手たち。特にチチパス、A.ズベレフを破りジョコビッチと好勝負を繰り広げたシャポバロフには大きな期待がかかります。そろそろGSで爆発してもおかしくない頃かと。

反対側のトップシードは[8]ベレッティーニ。全豪では未勝利、今シーズンも公式戦の出場はまだ無し、と評価しづらいですが、あまり爆弾級の対抗馬が見当たらず、QFまで勝ち上がってくる可能性は高いでしょう。

本来であれば推したい[12]フォニーニ[25]チョリッチは年初からやや不調気味、ノーシード勢だと売り出し中のオペルカ、2年前QF進出のサングレンあたりが上位進出候補でしょうか。

【SF争い予想】

本命:[3]フェデラー

対抗:[13]シャポバロフ、[31]フルカッチ、[17]ディミトロフ

穴:[8]ベレッティーニ、[12]フォニーニ、[25]チョリッチ

【1回戦の注目カード】

オペルカ vs [12]フォニーニ

[13]シャポバロフ vs フチョビッチ

ミルマン vs アンベール

▪️ジョコビッチ山
【表4】ジョコビッチ山

全豪オープン優勝7回、今年も年初から6戦全勝でATPカップ優勝に大きく貢献した[2]ジョコビッチを倒すことができる選手はいるのでしょうか。シャポバロフ戦、メドベーデフ戦はフルセットまでもつれましたが、それでも最後に勝つのはやはりジョコビッチ。今年もツアーを支配しそうです。

そのジョコビッチとともにセルビアにATPカップ優勝をもたらした[24]ラヨビッチも好調をキープしており要注目です。

好調の西岡は初戦がジェレ、2回戦はこちらも好調の[30]エバンスとの対戦が予想されます。ATPカップを盛り上げた選手同士、どちらがジョコビッチへの挑戦権を獲得するのか楽しみです。WCで出場する伊藤の初戦は[LL]グネスワラン。グランドスラムで初戦突破となれば、2014全米以来となります。

反対側のトップシードは[6]チチパス。ATPカップでのプレーはやや不調に見えましたが、もうトップ選手ですからそこまで心配する必要はないでしょう。とはいえ、絶好調の[9]バウティスタ・アグー[21]ペールや実力者の[32]ラオニッチチリッチといった強力な対抗馬が多く、難しいブロックになるかもしれません。

【SF争い予想】

本命:[2]ジョコビッチ

対抗:[6]チチパス、[9]バウティスタ・アグー

穴:[21]ペール、[24]ラヨビッチ、チリッチ、[32]ラオニッチ

【1回戦の注目カード】

F.ロペス vs [9]バウティスタ・アグー

エドムンド vs [24]ラヨビッチ

シュトルフ vs [2]ジョコビッチ

▪️全体

TOP4シードが安定して強さを見せているので、やはり[1]ナダル[2]ジョコビッチ[3]フェデラー[4]メドベーデフの4人を中心とした優勝争いになるでしょう。

TOPシード4人以外だと、[11]ゴファン[9]バウティスタ・アグー[17]ルブレフ[23]キリオス[13]シャポバロフ[31]フルカッチあたりが注目株。もちろん、[5]ティエム[6]チチパスなど上位シード勢も絡んでくることでしょう。

そして、日本勢ではやはり好調西岡に期待ですね。3回戦まで勝ち進み、ジョコビッチと好試合を演じてくれることを期待しています。

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