2017年4月23日(日)
初登山から1週間、筋肉痛が和らいでくるのとともに登山欲がフツフツと湧いて来ました。ということで、2週連続の登山。行き先は奥多摩の鷹ノ巣山です。「景色が良い」「標高が少し高め」という2点から鷹ノ巣山を選びました。
鷹ノ巣山は都内の主要な山の中では雲取山に次ぐ標高を誇ります。普通は登山2回目で来る所では無いような…そんな相変わらず身の程知らずな挑戦をする旅の始まりです。
鷹ノ巣山(たかのすやま)
標高1737m。東京都内最高峰の雲取山から奥多摩駅に伸びる石尾根上に位置する山。雲取山をはじめとした都県境上の山を除けば、都内で最も高い山である。石尾根上を進むコースの他にも、南の奥多摩湖側の水根、倉戸、峰谷からのコース、北の日原から稲村岩尾根を通るコースと多彩なコースが選択できる山である。ただし、いずれのコースも標高差1100m以上を登る必要があるため、一定以上の体力が必要である。特に日原から稲村岩尾根のコースは「奥多摩三大急登」とも呼ばれる傾斜が厳しいコース。
登山地図
都内随一の本格的な登山を楽しめる地域、それが奥多摩地区でしょう。奥多摩駅からバスのアクセスもよく、足繁く通う都心の登山者も多いかと思います。
奥多摩三大急登の一角、稲村岩尾根を登り、奥多摩湖畔に向かって榧ノ木尾根を下るルートを選択しました。次回は、奥多摩駅まで続く石尾根を歩いてみたいです。
【所要時間】 7時間00分 (行動時間6時間10分 休憩時間50分)
「奥多摩三大急登」との対決
今回はまず奥多摩駅に向かいます。奥多摩駅までは、新宿から「ホリデー快速おくたま号」で乗り換え無しで行けます。なお、このホリデー快速は青梅線奥多摩駅まで向かう「おくたま号」と五日市線武蔵五日市駅まで向かう「あきがわ号」が拝島駅まで連結して運行されているので気をつけましょう。進行方向前方が「あきがわ」、後方が「おくたま」ですので行き先を間違えないように。
ホリデー快速は私が新宿で乗り込んだ時にはすでに満席。座りたければ早めに到着した方が良いかもしれません。立川まではあまり降車する人が多く無かったので、ここで座れるかは重要な気がします。
さて、奥多摩駅からは8:35発の東日原行きバスに乗り込みます。バス2台があっという間に満員電車状態となりました。乗客の7〜8割は川苔山の登山口である「川乗橋」バス停で降車しました。川苔山の人気の高さが伺えます。
川乗橋を過ぎて静かになったバスに揺られ、終点の東日原バス停で降車します。このバス停はトイレもあり、登山口としての設備が充実していました。
バスから降りるとすぐにいい感じの景色が広がっています。
登山口まで、少々舗装路を歩きます。昔ながらの集落という感じの景色ですね。
ここを右に行くと、天目山方面です。東京都と埼玉県の境となっている尾根上の山ですね。山行記事などはあまり見かけない山域なイメージもありますが、酉谷山との縦走なんかは興味があったりもします。
稲村岩が見えて来ました。すごく大きく見えるのですが、あそこの上まで登っても標高差は250mくらいなので、山頂までの1/4にも満たないという事実。奥の方に見えているピークのさらにもっと奥まで行かなければなりません。長く登りが続くのは初めてなので、不安になってきます。
この看板が登山口です。ここから一旦沢まで下って行くことになります。
民家の裏みたいなところを通っていきます。
途中からは林の中に突入します。割と滑りやすかったので気をつけましょう。
沢まで下りてきました。結構しっかりとした橋が架かっています。
なかなか水量豊富な沢です。
非常によく整備されていて歩きやすい登山道です。
稲村岩脇の沢筋を進んでいきます。沢沿に降りられるところがあったので写真を撮ってみたのですが、今思うと構図がめちゃくちゃなだけでなく、シャッタースピード中途半端、なぜかISO感度高めという、何もわかっていない写真です。自分への戒めとしてあえてUPしてみましたが、これ似たような酷い写真がたくさんSDに残っていたんですよ。きっとこの時何故か無性に楽しかったんだろうな、と。そういう気持ちは忘れたくないなと思います。
沢筋から稲村岩尾根への取り付きからは一気に傾斜が急になります。初心者の私にとっては崖にしか見えないところを九十九折で登っていきます。この写真は尾根近くまで登ってきてだいぶ傾斜が緩やかになってきた所です。
ようやく尾根に出ました。稲村岩に登ることも一応できるみたいですが、危険らしいので辞めておきました。初心者が無理するところではない。
尾根に出た後はただひたすらに登りです。ピークらしきものが見える度に、「山頂か?」と色めき立つのですが、とにかく裏切られ続けます。尾根に出てからも800m以上ひたすら登り続けますからね。そう簡単には到着しません。景色も単調ですし、本気で心折れかけていました。
辛すぎて途中はあまり記憶がないのですが、山頂直下には雪が残っていました。北側の斜面からかもしれません。初めは雪を見てテンション上がっていたのですが、溶けた雪のせいでぬかるんでいる場所も増えてきたことには閉口しました。
マジで心が折れる5秒前に頂上が見えてきました。
鷹ノ巣山山頂からの大パノラマ
山頂に到着!ものすごく立派な山頂標でした。
鷹ノ巣山は南側が完全に開けていて、奥多摩方向の素晴らしい展望が広がっています。正面やや左手には東京都唯一の三百名山、三頭山が鎮座しています。
南西方面。本当はこの方向に富士山が見えるはずでしたが、残念ながら雲に覆われてしまっています。
南東方向。奥の目立つ山が御前山と大岳山です。こちらは約1年後にまとめて縦走しました。
東方向。東京都最高峰、東京都唯一の百名山である雲取山が木々の後ろに見えています。
こんな気持ちのいい景色の中、最高の昼食タイムです。こんな環境で食べれば、ただのコンビニおにぎりも素晴らしいご馳走です。ただ、周りの方々がみんなバーナーとか調理器具とか持っていたのですよ。すごく羨ましいなぁ、と思って翌週早速買いに行ってしまいました。登山を始めたばかりということもあって、欲しいものがどんどん出てきてしまいます。
倉戸山経由の下山。疲れを癒してくれるミツバツツジと奥多摩湖
ずっと山頂でダラダラしていたいところですが、時折太陽が雲に隠されると肌寒いので下山することにします。体力と時間に余裕があれば石尾根を奥多摩駅まで歩きたいところですが、どちらも持ち合わせていないので榧ノ木山〜倉戸山経由で下山します。
鷹ノ巣山直下は比較的傾斜が急です。振り返れば山頂への登山道と青い空。
見晴らしがよく、非常に気持ちいい稜線が続きます。こっちから登った方が良かったのか…?
石尾根から榧ノ木山方面に進んでいくと、傾斜が緩やかな、平坦な道が続いていきます。迷うほどではないですが、少し踏み跡も薄くなりました。
榧ノ木山の山頂は気づかない間に巻いていたようで、倉戸山に到着しました。倉戸山はちゃんとした山頂標はなく、かなり主張控え目でした。
そういえば、このルートを選んだ理由の一つは、山と高原地図に「倉戸山は4月下旬ヤマザクラが見事」と書いてあったからなのですが、全くどこにも見当たりませんでした。このパターン2週連続です。でも、下山途中に見事なミツバツツジが咲いていたので、これでよしとします。
倉戸山からの下山路の後半戦は、傾斜がかなり急な箇所がいくつもあり、さらに道も非常に分かりにくく、あまりオススメはしづらいかもしれません。
若干、迷子になりかけながら何とか進んでいくと、そんな気持ちを癒してくれる桜が出迎えてくれました。
ようやく集落に。この坂道の感じ、すごく好きです。
奥多摩湖と山々と青空。疲れた体を癒してくれる、とても良い景色です。
無事、倉戸口バス停にたどり着き、16:18発の奥多摩駅行きバスに乗ることができました。ただ、ものすごい乗客の数で、ほぼ通勤ラッシュ並みの超満員。これで山道はかなり危ないですね…
まとめ
先週の陣場山や高尾山はかなり多くの人がいましたが、今回の鷹ノ巣山はあまり人がいなくて雰囲気がだいぶ違っていました。個人的には、今日みたいに静かな山の方がのんびりできて良いなあと思います。
今回は何と言っても、山頂からの展望。この素晴らしいパノラマに心を打たれ、すっかり山の虜となってしまいました。派手な山ではないかもしれませんが、鷹ノ巣山、良い山でしたよ。
また一つ、私の地図に新しい頁が増えました。次の山行も幸せなものになることを祈って。