【プレビュー】2019Week12(マイアミMS)

ティエムが素晴らしいテニスでインディアンウェルズを制し、初のビッグタイトルを手にしてから数日、早速次のビッグイベントが始まろうとしています。

マスターズの中ではインディアンウェルズと並んでただ2大会のみ96ドローで行われることから、「準グランドスラム」とも呼ばれるビッグイベント。最後に歓喜の雄叫びを挙げるのはどの選手になるでしょうか。

マイアミ(米国、Masters、Hard)

画像出典:https://www.wlrn.org/post/after-hiccup-miami-open-tennis-tournament-gets-permission-move-new-home

昨年王者のイズナー、6度の優勝を誇るジョコビッチ、一昨年王者かつ3度の優勝があるフェデラー、と3人の優勝経験者が出場します。また、ベルディヒ、フェレール、錦織、A.ズベレフも含め、計7名の決勝進出経験者がトーナメント表に顔を並べています。

◾️ジョコビッチ山
【表1】ジョコビッチ山

インディアンウェルズでは早期敗退を喫しましたが、普通に考えれば優勝候補筆頭となるであろう[1]ジョコビッチですが、マイアミに相性が良い実力者のベルディヒといきなり初戦で当たる可能性があるのはやややりづらいかもしれません。ベルディヒには対戦成績25-3と大きく勝ち越しているものの、インディアンウェルズで破れたコールシュライバーも大会前までは8-1と圧倒していただけに、油断はできません。4回戦も年初から好調の[22]バウティスタ・アグーがドーハの再現を演じる可能性があり、ジョコビッチとしては要注意でしょう。

反対側は何と言っても昨年王者[7]イズナーに注目です。今シーズンはまだあまり存在感を発揮できていませんが、ここで少なくとも決勝進出しなければTOP10陥落と苦しい状況になっています。対抗シードは全豪オープンで活躍した[25]プイユではありますが、それ以外の大会では結果を出せておらず、同シード帯にワウリンカやキリオス、ティアフォーなどもいたことを考えるとここまでは比較的恵まれたドローでしょう。しかし、4回戦は順当に行けばインディアンウェルズ4強、今シーズン好調の[12]ラオニッチと苦しい戦いが予想されます。正念場の大会となるでしょう。

◾️ティエム山
【表2】ティエム山

インディアンウェルズ優勝のティエムとマイアミが得意の錦織が中心になるかとは思いますが、注目選手は目白押しです。

大仕事を成し終えた[3]ティエムの初陣は、錦織ファンならトラウマになりつつあるフルカッチvsベレッティーニの勝者です。短期間で錦織を2度破ったフルカッチに目が行きがちですが、ベレッティーニも先週250くらいの選手層はあったフェニックスCHでゴジョヴィッチ、ククシュキンらを破って優勝しており、どちらが勝ち上がってもティエムにとっては不気味な存在となりそうです。

そのティエムと4回戦で当たる可能性があるのが[16]モンフィス。本当はインディアンウェルズQFでティエムと対戦するはずでしたが、アキレス腱の怪我で棄権しました。年初から好調を維持しており、万全ならばかなり楽しみなカードとなりますが、そもそもどれだけプレーできる状態なのかも含めて心配です。

反対側には[5]錦織。マイアミはマスターズの中では自己最多の21勝を挙げている、相性の良い大会ですが、最近少し低調な試合が続いていることは気掛かりです。序盤の山場はやはり[27]キリオスとの対戦が予想される3回戦でしょう。対戦成績は錦織の4戦全勝、不思議と錦織のリターンがバッチリ合うイメージが強いですが、上限値が高い選手なので乗らせないような展開に持ち込みたいです。

錦織から見て4回戦での対戦が予想されるのが[11]チョリッチ[23]シモン。シモンはマイアミでコンスタントに結果を残していますが、錦織とのプレー相性を考えると比較的与し易いでしょうか。今シーズン乗り切れていないチョリッチは、昨年ソック、シャポバロフを下してQFまで進出したこの大会で結果を残さないと、目前まで迫ったTOP10が遠のいてしまうことになります。周りのノーシード勢も今シーズン乗り切れていない選手が多いドローなので、ここで結果を出しておきたいでしょう。

◾️フェデラー山
【表3】フェデラー山

インディアンウェルズの優勝は逃した[4]フェデラーですが、評価を下げるようなV逸ではありません。疲労が問題なければ、優勝候補と考えて間違いないでしょう。しかし、ドローは茨の道となりました。3回戦はインディアンウェルズに続いての[30]ワウリンカ戦が予想されます。また、ワウリンカでなくても今季好調のエルベールクライノビッチということで、難しい戦いになることは避けられそうにありません。そして4回戦は、ここ半年ほどで最も評価が高い若手の一人、[13]メドベーデフの挑戦を受けることが予想されます。厳しいブロックとなりました。

反対側は、[6]アンダーソンがプレーできるのかがまず注目されます。インディアンウェルズをスキップするあたり、万全ということはなさそうですが、どれだけプレーできるのかがこのブロックの結果を大きく左右するでしょう。他のシード勢もあまりマイアミを得意としていない/今季元気がない選手たちであり、アンダーソンが万全でないならば誰が勝ち上がるか予想できない展開となりそうです。

◾️A.ズベレフ山
【表4】A.ズベレフ山

インディアンウェルズでは発熱の影響もあり3回戦敗退となった[2]A.ズべレフですが、体調が戻っているなら昨年ファイナリストは当然優勝候補の一角となるでしょう。彼の初戦相手は決める、クエリーvs[WC]フェレールのベテラン対決にも注目です。

若手の実力者[28]ティアフォーの初戦の相手は復活のグルビスvs期待の新星[WC]ケマノビッチの勝者、と楽しみなメンバーがあつまりました。

 昨年途中から調子を落とし気味の[18]ゴファンは初戦で好調カルロビッチと当たる可能性がある以外は比較的与し易いドローでしょう。3年前にSFまで勝ち進んでいるこの大会で、復調のきっかけを掴めるでしょうか。

反対側は、ついにTOP10まで登りつめて勢いに乗る[8]チチパスと、今季不調でTOP10から陥落してしまった[9]チリッチという対照的な組み合わせです。

また、このブロックは予選勝者の枠も多いですが、今大会は予選リストにアリアシムツォンガオペルカなど怖い選手が多く、誰がこの枠に入るかも大きな影響がありそうです。

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