【プレビュー】2019Week27,28(ウィンブルドン)

つい先日全仏オープンが終わったと思ったら、あっという間に芝シーズンの終わりを告げるウィンブルドンがやって来てしまいました。毎年思いますが、本当に芝シーズンは短いですね…

画像出典:https://www.wimbledon.com/en_GB/atoz/grass_courts.html
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ウィンブルドン(英国、Gland Slam、Grass)

「The Championships」ウィンブルドンがやって来ました。独自のドレスコード、独自のシードシステム、ラストエイトクラブの存在等々、「格式」という意味では四大大会の中でも別格の大会です。

2003年にフェデラーが初めてウィンブルドン制覇を達成して以来、実に16年もの間BIG4が優勝を独占し続けて来た大会です。2010年はベルディヒがナダルに、2016年はラオニッチがマレーに、2017年はチリッチがフェデラーに、2018年はアンダーソンがジョコビッチに挑みましたが、いずれもストレート負けを喫しています。今大会もBIG4の独占は続き、ジョコビッチ、フェデラー、ナダルの中から優勝者が出るのか、新たなチャンピオンが誕生するのか。では、ドローを見ていきましょう。

▪️ジョコビッチ山
【表1】ジョコビッチ山

※Rankingは6/24付(イーストボルン、アンタルヤなどは未反映)。

前年王者[1]ジョコビッチ。全仏ではティエムとの死闘の末に敗れたものの、直近GS4大会での敗戦はこのたった1回のみ。マスターズこそ2011年や2015年頃のような安定感は無いものの、グランドスラムでは圧倒的な強さを見せています。そんなジョコビッチに死角はあるのか?1回戦は芝巧者の実力者、コールシュライバーですが、今シーズンは前哨戦でも結果を残せておらず、大番狂わせは想像しづらいでしょうか。2回戦もクドラが昨年芝シーズンの勢いであれば怖いですが、今シーズンはそこまでの調子ではなさそうです。

ジョコビッチにとって最初の山場をもたらすのは[19]アリアシムでしょうか。今シーズンは序盤から話題をさらっていますが、芝シーズンでも勢いが衰えるどころか加速し、気づけばレースランキング10位。完全にトッププレイヤーの仲間入りを果たしました。ウィンブルドン本戦初出場、どころかわずか2回目のグランドスラム参戦ですが、ジュニアの頃から大舞台に揉まれている選手ですから心配は無用でしょう。まずは同朋の先輩[PR]ポスピシルとのカナダ人対決となります。

そのアリアシムと2回戦で激突する可能性があるのが、ディミトロフです。2014年のセミファイナリストですが、ランキングは50位前後まで沈んでしまいました。直近ロンドンで敗れたアリアシムにリベンジを図るまたとないチャンスですが、復活の狼煙をあげることはできるでしょうか。

昨年16強の[16]モンフィスは練習中に痛めた足の状態が気になります。近くにはアリアシムはもちろん、アンタルヤを制したソネゴなども控えており、完全回復していないと厳しいかもしれません。

[11]メドベーデフはTOP10入りへ、大きな結果が欲しい大会となります。現状ではハードやクレーの方が目立った結果が出ていますが、プレースタイルから考えて芝が合わない訳がありません。芝でもいつ爆発してもおかしくない選手でしょう。

そんなメドベーデフに待ったをかけたいのは、ハレ準優勝など今芝シーズン好調の[21]ゴファン。昨年はエブデンに初戦敗退を喫したものの、それまで5大会ではフィッシュ、ツォンガ、マレー、ワウリンカ、ラオニッチとTOP10シードにしか敗れたことがありません。

昨年は自身初のGS16強に進出した[7]チチパスですが、今年は同じ成績で満足するわけにはいかない立場となりました。前哨戦では思うような結果となりませんでしたが、フル回転だったクレーシーズンの疲労が多少癒えたという点ではプラスに働くかもしれません。グランドスラム、大舞台に強い選手でもあるので、期待してしまいます。

【SF争い予想】

大本命:ジョコビッチ

対抗:チチパス、アリアシム

穴:メドベーデフ、ゴファン

大穴:モンフィス、ディミトロフ、ソネゴ

▪️アンダーソン山
【表2】アンダーソン

昨年のファイナリスト[4]アンダーソンが帰ってきました。ロンドンから復活し復帰2大会目となりますが、彼の状態がこの山の行方を大きく左右することになるでしょう。そんなアンダーソンは初戦で好調エルベールとの対決。1回戦屈指の好カードとなりました。エルベールを一蹴するようだと、上位進出の可能性は非常に高くなってくるでしょう。

[15]ラオニッチ[22]ワウリンカは順当に勝ち進むとR32で激突する位置となりました。昨年全米、今年全豪といずれもラオニッチが勝利しているカードであり、芝という環境を考えるとやはりラオニッチ優勢と考えるのが順当でしょう。

今シーズンのレースランキング25位となかなか乗り切れていない[10]ハチャノフは2回戦でロンドン覇者かつ芝で滅法強い[WC]F.ロペス、3回戦でこちらも芝巧者の[23]バウティスタ・アグーとの対戦が予想される、苦しいドローとなりました。ハチャノフ自身も芝の勝率が最も高く、十分上位進出も可能なポテンシャルを持っていると思いますが、発揮しきれるでしょうか。

グランドスラムに弱いという評価をなかなか払拭しきれない[6]A.ズベレフも序盤から油断できないドローとなりました。初戦の相手[Q]べゼリーをはじめとして、[28]ペールジュメールケマノビッチなど芝が得意な選手や好調な選手が近くに目白押し、4回戦には前述の[10]ハチャノフ、[23]バウティスタ・アグー、[WC]F.ロペスと言った芝適性ありの実力者が上がってくる可能性が高く、自身GS最高成績のQF進出も大変な道のりとなりそうです。

芝に強い実力者は多いものの、大本命は不在。誰が勝ち上がってもおかしく無いブロックとなりそうです。

【SF争い予想】

本命:不在(元気ならばアンダーソン)

対抗:ラオニッチ、アンダーソン

穴:ハチャノフ、A.ズベレフ、バウティスタ・アグー

大穴:ケマノビッチ、F.ロペス、ワウリンカ

▪️ナダル山
【表3】ナダル山

目下レースランキング首位の[3]ナダル。昨年は久しぶりにウィンブルドンでの上位進出を果たし、SFではジョコビッチと死闘を演じました。今大会でも、上位進出の大本命となることは間違い無いでしょう。初戦の相手は予選を勝ち上がってきた[Q]杉田。杉田がブレイクしたきっかけはハレでのフェデラーとの一戦とも言われていますが、今回のナダルとの対決も何かのきっかけになってくれればと思います。

そんなナダルの近くには、キリオスツォンガと言ったノーシード爆弾たちが。特に2回戦は前哨戦で準優勝しているトンプソンvsキリオスの勝者ということで、どちらが勝ち上がってきても厄介な相手となりそうです。

今シーズン全く乗り切れない、ウィンブルドンファイナリスト[13]チリッチも初戦で芝が大得意なマナリノを引いてしまいました。前哨戦のスヘルトーヘンボス では悲願の初優勝を果たしており、乗っている相手との難しい試合が予想されます。

逆サイドのトップシードは[5]ティエム。芝は苦手としているティエムも初戦クエリーと難敵を引いてしまいました。芝適性や直前のイーストボルン準優勝を考えると、控えめに言ってもシード選手くらいの強さはあります。

芝シーズン好調の[20]シモンはウィンブルドンでも度々R16以上に進出しており、期待がかかります。クレーシーズンに躍動した[12]フォニーニは前哨戦なしでウィンブルドンへ。初戦のティアフォーとの一戦は1回戦屈指の注目カードです。

ナダル以外は不安要素が目立つシード勢と、ノッている・実力者のノーシード勢が集まり、非常に楽しみなブロックとなりそうです。

【SF争い予想】

大本命:ナダル

対抗:チリッチ

穴:シモン、フォニーニ

大穴:マナリノ、クエリー、ツォンガ、キリオス、ティエム

▪️フェデラー山

言葉は悪いかもしれないですが、「あっさりと」ハレを制しウィンブルドンに乗り込んできた、優勝候補の最右翼[2]フェデラー。誰が彼を芝の上で止めることができるのでしょうか…?

フェデラー山の中で妥当フェデラーに最も近いのは、実はこの男かもしれません、[17]ベレッティーニです。前哨戦で圧倒的な強さを誇り、一気に20位までランクアップしてきました。怖いもの無しでぶつかっていくことができれば、面白い試合になるのでは無いでしょうか。

[27]プイユvsガスケのフランス対決も注目カードです。過去成績はプイユの4勝1敗と意外と一方的ですが、芝では初対戦となります。

[8]錦織は昨年自身初のウィンブルドンQFに進出し、ラストエイトクラブに入会することができました。芝での戦いという意味では、昨年のキリオス戦あたりで一皮向けた感じもありましたが、前哨戦なしで臨む今大会はどのようなプレーを見せてくれるでしょうか。3回戦まではイストミンジョンソンと言った芝得意な選手はいるものの、流石に勝たなければいけない相手でしょう。問題は4回戦です。

錦織と4回戦で当たる可能性が高そうなのは、なんとかウィンブルドンに間に合わせた[9]イズナー、今シーズン好調でビッグサーブも持ち合わせている[33]シュトルフ、イーストボルンで悲願の初優勝を果たしてノッているフリッツといずれも強敵です。いや、ウィンブルドンファイナリストの[PR]ベルディヒが大暴れする可能性もありますね。これだけ層が厚いので、オープンドローになる可能性は限りなく低く、激闘を戦った上でなんとか勝ったとしてフェデラーが待ち受ける、というなかなか苦しいドローです。とはいえ、グランドスラムのドローはこんなもん、とりわけタフドローと騒ぎ立てるほどのものでは無いでしょう。

大本命フェデラーに誰が待ったをかけるのか、ベレッティーニやフリッツといった前哨戦好調の選手たちにも注目が集まるブロックです。

【SF争い予想】

大本命:フェデラー

対抗:ベレッティーニ、(元気ならば)イズナー

穴:錦織、フリッツ

大穴:シュトルフ、ベルディヒ、ガスケ

▪️全体

BIG4の3人、[1]ジョコビッチ[2]フェデラー[3]ナダルが頭二つも三つも抜けていると考えて間違い無いでしょう。では、誰が彼らを止めることができるだろうか、元気にプレーできるのであれば[4]アンダーソン[9]イズナーが筆頭候補となりますが、復帰直後の彼らに多くを臨むのは酷でしょう。[15]ラオニッチ[13]チリッチといった実力者勢、[7]チチパス[19]アリアシム[17]ベレッティーニ[10]ハチャノフ[11]メドベーデフといった若手勢の名前が浮かびます。

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