【東北】岩手山登山 雄大な東北の自然を感じる東北の名峰・南部片富士への旅 

2017年7月15日(土)

この週末はあまり天気が良くなさそうでしたが、どこか登りに行きたい欲求を抑えきれず、少なくとも土曜は晴れてくれそうな岩手まで急遽遠征を決めました。岩手行きを決定したのは前日の金曜。ソロならではの機動力を最大限に活かします。

岩手山(いわてさん)
標高2038m。日本百名山東北百名山一等三角点百名山。岩手県最高峰かつ本州最北の2000m峰であり、盛岡市街地から美しい姿がはっきりと見えることもあり岩手県のシンボルの一つでもある。東側の裾野は富士山にそっくりな姿だが、西側は黒倉山、姥倉山とピークが点在している山容であり、「南部片富士」と呼ばれている。

地図・行程

広域図

岩手山盛岡市街地から約20kmとかなり近くに位置しています。盛岡は岩手山の他にも姫神山早池峰山など魅力的な山に囲まれていることが分かりますね。

今回のルート図

今回は、馬返しからの直登ルート、柳沢コースの往復です。岩手山はコースのバリュエーションが豊富なので、ぜひ何度も訪れてみたいですね。

山と高原地図は「岩手山・八幡平」編。岩手・秋田の名峰が勢揃いの地図です。首都圏在住の登山者は使用する機会が少ないかもしれませんが、地図を眺めて遠征の妄想をするだけでも楽しいのではないでしょうか。

馬返し登山口(9:50)~二.五合目(10:55)〜新道五合目(11:49)〜七合目(12:55)〜八合目避難小屋(13:09-13:21)~岩手山山頂(14:11-14:42)〜八合目避難小屋(15:32)〜旧道五合目(16:21)〜馬返し登山口(17:46)
【所要時間】 7時間56分 (行動時間7時間13分 休憩時間43分)

1.美しい独立峰へ〜ひたすらの急登

新幹線の始発で東京から盛岡駅へ。2時間強で着いてしまうんですね。便利な世の中です。

盛岡駅前でレンタカーを借り、岩手山へ向かいます。

車内から岩手山の雄大な姿を眺め、ワクワクしてきます。平地の端にある独立峰なので、どこからでも見えて良いですね。

馬返し登山口の駐車場はかなり車で埋まっていました。少し下にもっと大きい駐車場もあったので、満車になる心配はあまりなさそうですが。

駐車場から少し上ると、おしゃれな小屋がありました。今は使われていなそうでしたが、緑と青空に赤い屋根が映えますね。

鬼又清水という水場です。かなり水量は豊富でした。

広場からは岩手山山頂が見えます。結構遠く見えますが、あそこまで頑張って歩いて行きます。

こちらが本当の登山口になります。もう10時なので、こんな時間に登り始める人はほとんどいないようです。

開始早々、少し下ります。どうしても、標高がもったいないという発想に至ってしまう。

少し興味はありますが、「蜂の巣もあり、熊の出没も予想されますので」と書かれたら行けないでしょ。十分注意するくらいで済むのでしょうか…?

0.5合目。かなり刻んできますね。

新道旧道の分岐がありますが、一合目ですぐに合流するのでここはどっちでも良いでしょう。

一合目。ここら辺までは、独立峰を直登するとは思えない、傾斜緩めののんびり登山道です。

この日は終始やたらトンボが多かったです。

形が豆腐に似ているので、豆腐岩。形が豆腐に似ている岩ってたくさんある気もするが…?

樹林帯の裂け目に来れば、早くもこの開放感。独立峰ならではの気持ちよさですね。

二合目。ここら辺から、徐々に勾配が急になっていきます。

二.五合目。ここで再び新道と旧道に分岐します。

私はなんとなく新道に進んでしまいましたが、くれぐれも登りは旧道を選びましょう。

新道は樹林帯、旧道は展望の良いガレ気味の道です。絶対に旧道の方が幸せな登りとなるはずです。

新道三合目。新道はとにかく樹林帯の狭い道なので、特筆すべきところはありません。

新道四合目。ここら辺が一番キツかった。まだ半分も行っていないのかと絶望します。

新道は展望があまりない分、たまに展望が開けるとテンションが上がります。旧道ならずっとこんな景色ですけどね…

新道五合目。何度も言いますが、登りは旧道を選びましょう。

五合目を越えると、新道もだいぶ展望が良い場所が増えてきました。

ふと横に目をやると旧道が。向こうはたくさん人がいるようです。私がいる新道はほとんど人がいませんが、なぜでしょうか。

新道六合目。ひとまず八合目小屋までもう少しです。暑くて水分をかなり消費してしまっています。

トンボが多すぎて、頻繁に映り込んできます。すっかり夏ですね。

山頂が姿を見せはじめました。と同時に、雲が増えてきた気が…

七合目で新道と旧道が合流します。孤独な旅もこれで終わりですね。

やはり雲がだいぶ増えてきてしまったので、頂上まで急ぎたいところです。

火山ぽさがかなり出てきました。

八合目小屋が見えてきました。大自然の中、かなり贅沢な場所に立っていますね。

2.天空のオアシス〜八合目小屋と鬼ヶ城とコマクサと

八合目小屋に到着。結構人がいます。それより、後ろの鬼ヶ城がかっこよすぎてソワソワします。

こんなに標高高い所の水場なのに、水量はかなり豊富でした。キンキンに冷えていて、生き返ります。

小屋の傍に八合目の道標が。

少し休んだら、山頂に向けて出発します。

とにかく鬼ヶ城がかっこいい。これと岩手山山頂に挟まれた、幸せな散歩道を進んでいきます。

鬼ヶ城不動平避難小屋。この方向だけ快心の青空でした。

いざ、頂上に向かって最後の一登りです。

振り返れば鬼ヶ城。すっかり一目惚れしてしまったようで、この辺り鬼ヶ城の似たような写真ばかり撮っていました。

お鉢まで登る最後の急登はザレザレの道で、なかなか登りづらかったです。1歩進むたびに0.3歩ずり落ちる感じです。

鬼ヶ城から続く尾根線を眺めます。網張温泉の方から登ってくると、ここを通ることになります。次は向こうから登ってみたいなあ、と。奥にうっすらと見えるのは秋田駒ヶ岳でしょうか。

お鉢まで登ってくると、火山らしい派手な姿が待ち受けていました。左側のピークが山頂ですね。

山頂までお鉢をぐるりと回っていきます。私は時計回りのコースを選択しました。

火口とトンボたち。とにかくトンボが多い1日でした。

山頂に到着。コマクサが描かれた看板が可愛いです。

土の茶色と緑のコントラストが美しい。火山の濃い茶色は異世界感があってワクワクしてしまいます。

下山開始。本日初めてお目見えする北東側の景色です。さすがは独立峰の高度感ですね。

山頂直下はコマクサ天国。ピンクの可愛らしい花が咲き乱れていました。

山頂を振り返ってみる。山頂付近はこっちの方が急なので、時計回りで回った方が良いと思います。

八合目小屋が見えてくるとともに、車を停めた駐車場も見えてきました。あそこまで帰らないといけないのか…

八合目小屋は、本当に素晴らしい場所に建っていますね。次はぜひ泊まってのんびりしたいものです。

雄大なお鉢にも別れを告げます。気持ちのいい山頂でした。

3.ずっこけ下山〜道の選択は大事だよ

鬼ヶ城まで帰ってきました。

八合目小屋まで戻ってくると、学生さんらしき団体が。みんな元気にはしゃいでいて、若いっていいなあと。

もういい時間なので、帰路を急ぎます。結構な高度感と傾斜ですね。

正面にうっすらと見えているのが姫神山です。この日は終始霞が酷くて、遠くはあまり良く見えませんでした。

帰りは展望の良い旧道を行きます。旧道はザレている場所も多く、下に使うには滑って危ないですね。案の定何回かズッコケました。

旧道六合目。完全に選択を間違ってしまったのか、他の登山客にほとんど会いません。そもそも時間が遅いせいかもしれませんが。

だいぶゴールが近づいてきた気がするとともに、だいぶ日が傾いてきました。こちらは東側斜面なので、早く戻らないと暗くなってしまいます。

四合目。だいぶ下りてきましたねー。結構クタクタです。

往路で選択を間違えた、運命の二.五合目。ここら辺まで来ると、直射日光もありませんし、傾斜も多少は緩やかになってきて歩きやすいです。

予想通り、すっかり岩手山の影に入ってしまいました。強烈な日差しを避けることができるのは助かります。

無事に登山口到着。登りも下りもずーっと急傾斜だったので、時間以上の疲労感です。

最後に、岩手山の南側に位置する雫石プリンスホテルから見た岩手山です。左側(西側)だけ稜線が伸びていて、まさに「南部片富士」らしい姿を見ることができて満足でした。

まとめ

東京からはるばる500kmくらい移動して岩手山まで来たわけですが、関東近郊の山とはまた違った、素晴らしい魅力に溢れていました。

見る方向によって大きく形を変える、その大きな山体には、

火山らしい荒々しい姿と

可憐な花が待ち受けていました。

約500kmも離れた所にある標高差約1400mの山ではありますが、新幹線+レンタカーorタクシーなら十分都心からでも日帰りできてしまいます。自然の魅力を感じるとともに、文明の素晴らしさにも感謝を感じる旅でした。

次は周りの山から岩手山を眺めて見たいなあ、ということで、秋田駒ケ岳・八幡平あたりを狙ってみたいです。

また一つ、私の地図に新しい頁が増えました。次の山行も幸せなものになることを祈って。

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