今年もファイナルズの季節がやってきました。テニス界の長い一年もこの大会で終わりを告げることとなります。
レースランキング2位のナダル、同4位のデルポトロが怪我のため棄権となってしまったのは非常に残念ではありますが、出場する選手達が大会を盛り上げてくれることでしょう。今年も十分すぎるくらいワクワクするメンバーが揃いました。
初出場がアンダーソンとイズナーの2名、ジョコビッチと錦織は2年ぶりの出場、フェデラー、A.ズベレフ、チリッチ、ティエムの4名は昨年に続いての出場となります。
The singles class of 2018 looking dapper 😍#NittoATPFinals #ATP pic.twitter.com/piYZnLMIet
— ATP World Tour (@ATPWorldTour) 2018年11月9日
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— Kei Nishikori (@keinishikori) 2018年11月9日
ファイナルズ名物の集合写真!今年のセルフィーは錦織が撮影担当でした。今年も良い写真になりましたね!
それにしても、背高くて、肩周り筋肉ついてて、皆本当にスーツ姿がカッコいいなあ、と毎日スーツ着ているサラリーマンとしては羨ましくなってしまいます。サーシャの王子様っぷりやティエムの爽やかイケメンさは言うまでもないですが、個人的にはアンダーソンのスーツ姿とかめっちゃカッコいいと思うんです。あんまりフィーチャーされませんが。
ドロー概観
まずはいつものフォーマットで簡単に概観します。赤が高勝率、青が低勝率でグラデーションかけているのですが、さすがTOP10しかいないので勝率6割くらいで真っ青です(笑)
こう見ると、やはりジョコビッチとフェデラーの2強はおかしいですね。1回出場するだけでも名誉なファイナルズに毎年のように出場し、毎年のように決勝まで進んでいます。2003年以降の15年間でこの2人が不在の決勝はたったの2回(2009:ダビデンコvsデルポトロ、2017:ディミトロフvsゴファン)、この2人以外が優勝したのはたったの4回(2005:ナルバンディアン、2009:ダビデンコ、2016:マレー、2017:ディミトロフ)。ランキングでも上位、この大会を支配し続けている2人に挑む挑戦者6人という構図になるかと思います。
Group Guga Kuerten
まずはGroup Guga Kuertenです。H2H的には、ジョコビッチとサーシャが圧倒している形となっています。サーシャvsチリッチ、サーシャvsイズナーがこんなに差付いているのは意外でした。とはいえ、クレーでサーシャが圧倒していることもあり、ハードの成績に限るとサーシャvsチリッチは3-1、サーシャvsイズナーは2-1と肉薄しています。ハードコートでの直近の対戦でも接戦となっており、数字以上に横一線かなと思います。
また、ジョコビッチを除く3人は、どちらかというとシーズン終盤にかけて疲労からかやや調子を落としている印象があります。特にシーズン序盤のツアーを引っ張ってきたメンツということもありますが、彼らがどのようなコンディションでロンドンに乗り込んでいるかと言うことも重要なファクターになりそうです。サーシャは肩痛めているようですし、少し心配ではあります。
おそらく、グループ開幕戦となるサーシャvsチリッチがいきなりこのグループの大一番となるのではないかと思っています。
Group Lleyton Hewitt
続いてGroup Lleyton Hewittです。こちらは、そこまでフェデラー一強という展開にはならないかもしれません。アンダーソンは直接対決4敗は全て2015年までの対戦で、直近の対戦となった今年のウィンブルドンではフルセットの死闘の末勝利しています。ティエムは2勝1敗とフェデラーに勝ち越していますが、全て2016年までの対戦で、ハードに限るとフェデラーの1勝0敗となっています。錦織は直近でフェデラーに2連敗しており、データ的には一番厳しいかもしれません。
そして、調べていて驚いたのはフェデラーの2018年対TOP10成績が2勝4敗ということです。対戦数も勝率も驚きの低さでした。最後にTOP10に勝利したのは2月ロッテルダムのディミトロフ戦で、約9ヶ月近くTOP10には勝っていないことになります。(その代わり、11-20位の選手に6勝1敗と勝ちまくっており、ここのランク帯にいた錦織も2敗を喫しています。)
アンダーソン、ティエム、錦織の3人はそれぞれ今年だけで複数回対戦しており、アンダーソン0-2ティエム1-1錦織1-2アンダーソンという成績となっています。アンダーソンは昨年まで6線負けなしだったティエムに対して今年は2連敗を喫しています。クレーコートのマドリードはともかく、得意の全米オープンでストレート負けを食らったのはショックだったでしょう。あの時のティエムは本当に強かった。アンダーソンとしてはこのリベンジを果たすことができるか、こちらのグループも開幕戦のアンダーソンvsティエムが鍵を握りそうです。
また、錦織はアンダーソン、ティエム共に直近のインドアハードでの対戦でリベンジを果たした形となっていますが、互いにどのような戦略で臨むのか、対戦が連続しているからこその頭脳戦にも注目したいです。
(番外編)2018年度の対TOP10成績まとめ
TOP10しか出場しないATP Tour Finalsの展望ということで対TOP10成績も掲載したのですが、フェデラーの成績とか、実は錦織がFinals出場選手中2番目の勝ち星であることとか、ちょっとおもしろいなと思ったので、他の選手たちも調べてみました。
2018年度のvsTOP10で2勝以上を挙げた選手は上記の34名となります。
年末TOP10の10名(Tour Finalsの8名+棄権したナダルデルポトロ)を除くと、6勝のチョリッチ、チチパスと5勝のハチャノフが目立ちます。いずれもNextGen世代期待の星、今年10位台まで駆け上がった選手たちです。今シーズン印象に残った3人だとは思っていましたが、やはりこのように数字にも現れるのですね。
ちなみに、TOP10対戦数に直すと、1位チチパス、2位ハチャノフ、3位チョリッチ(同点でジョコビッチと錦織)となります。20歳すぎでこれだけトッププレイヤーと対戦する機会があることも凄いですし、試合を経て得られるものも大きいと思います。来年以降はより良いシードも確保でき、より上位ラウンドに顔を出す回数も増えるのではないかと思います。