【丹沢】丹沢表尾根縦走登山(塔ノ岳〜鍋割山) 都心から最も近く美しい稜線を歩く旅

2017年5月20日(土)

GW以来、2週間ぶりの登山は、首都圏でもトップクラスに人気の高い山、丹沢塔ノ岳に出かけました。都心から容易にアクセスできるにも関わらず、気持ちのいい稜線歩きを楽しめる丹沢表尾根、コスパ最高な旅の始まりです。

塔ノ岳(とうのたけ)
標高1491m。丹沢山地の南寄り、秦野の街からよく見える場所に位置している山。都心からのアクセスの良さ、展望の良さ、等から丹沢山地の中でも最も人気の高い山と言える。山頂は非常に広々としているが、晴天の休日には多くの登山者が溢れる。ヤビツ峠から稜線上を歩く表尾根と大倉から長くダラダラとした登りが続く大倉尾根がメジャーな登山道。稜線上の素晴らしい展望から非常に評判の高い表尾根と樹林帯の単調な登りが続くため「バカ尾根」と揶揄されるが危険個所が少なく初心者でも安心な大倉尾根という好対照な登山道があるということは非常に特徴的。

鍋割山(なべわりやま
標高1272m。塔ノ岳から西に連なる尾根上に位置する山。特に南側・西側の展望が非常に素晴らしい。山頂には鍋割山荘があり、ここの鍋焼きうどんが登山界隈では非常に有名である。

丹沢山地は、ヤマビルが発生しやすい地域としても有名な場所です。ヤマビル自体は熊、蛇、蜂などと違い命を脅かすような危険はありませんが、吸血されると多くの出血を伴うことや、見た目の気持ち悪さなどから忌避されている生物です。私も念のために対策はしましたが、表尾根のように人が多く歩く登山道では出没することはそこまで多くないようです。とはいえ、夏場や雨の日などはヤマビルが発生しやすいので、訪れる時期は選んだ方が良さそうです。
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登山地図

ヤビツ峠(9:11)~二ノ塔(10:22)~三ノ塔(10:42)~鳥尾山(11:18)〜新大日(12:38)〜塔ノ岳(13:16-13:47)〜鍋割山(14:54-15:12)〜二俣(16:21)~大倉バス停(17:27)
【所要時間】 8時間16分 (行動時間7時間27分 休憩時間49分)

都心から最も近く美しい稜線、丹沢表尾根

この週末は関東全域快晴ということで、登山好き界隈は沸き立っていたことでしょう。私は首都圏でもトップクラスの人気を誇る丹沢表尾根を歩くことにしました。丹沢は人気の山域ではありますが、ヤマビルの巣窟としても有名な場所です。表尾根は比較的安心という情報が散見されても、心配性の私としては気になるので、ヤマビルの活動が活発になる梅雨に入る前に行こう、ということで今回行くことにしました。

丹沢へのアクセスは、小田急線を使用することになります。小田急線はあまり乗ったことがないので、自然とワクワクしてしまいます。新宿駅6:31発の急行に乗り込みます。中央線特別快速よりは空いている印象です。

秦野駅に7:38着。かなりの人数がここで下車しました。そして、バス停に向かって階段を下りてびっくり。とんでもない人の数でした。

最後尾からだと全容が見えませんが、おそらく150人くらいは並んでいたかと思います。さすがは丹沢、ものすごい人気ですね。バスに乗れないのでは、とヒヤヒヤしましたが、臨時便もかなり出ているようで、無事に8:18発のバスに乗れました。

ヤビツ峠までは約50分山道を揺られることになります。山道で立ちは結構大変ですね。登山前に地味に体力を使いました。

ひとまず、無事にヤビツ峠に到着。トイレもあり、かなり整備されている印象です。

ヤビツ峠はヒルクライムのメッカでもあります。バスで走ってきた道かなりの急坂を自転車で駆け上るなんて、私には想像つきません。

まずは舗装道を下っていきます。まだ気温も上がりかけで、ちょうどいい気候です。

富士見橋で車道とはお別れです。

いつも思うんですが、山の標識で水平距離を書かれてもよく分かりませんよね。かといって、時間を書くとペース遅い人がそれを鵜呑みにしてしまうと困るのでしょうけれど。ペースの基準も曖昧ですし。

鍋割山の歩荷システムは有名ですが、こちらでも歩荷ボランティアやっているのですね。どういうものか分かりませんが、石材って重くて大変そうです…

ヤビツ峠までの喧騒は嘘のように、静かな登山道です。丹沢は全体的に緑が綺麗な印象が強いですね。

二ノ塔まではひたすら登りです。割と急坂が続く場所もあり体力が削られますが、ヒルが怖くて立ち止まれません。ちなみに、今回はヒルの被害は受けませんでした。表尾根はそこまでヒルが多いわけでは無いようですし、念のため次のような一般的な対策をすれば問題ないのではと思います。

・ヒル忌避薬を靴に散布する

・日当たりの良い山頂・稜線以外では極力休憩しない

・コース外に入らない

二ノ塔直前は一段と急になります。しかし、展望が一気に開ける場所でもあります。お隣の大山が存在感を放っています。

二ノ塔に到着。次のピーク、三ノ塔が見えてきました。ベンチが設置してありますが、前のバスの方達でしょうか、たくさんの人で溢れていました。先程までの静寂が嘘のようです。

三ノ塔に向かって歩を進めると、富士山が見えてきました。霞のせいで少しぼやけて見えますが、やはり富士山が見えると嬉しくなってしまいます。

そして、秦野市も一望できるようになってきます。奥にうっすらと見えるのは箱根の山々ですね。

こんな鹿よけの柵がいろんな場所に設置されていました。それにしても、表尾根は本当によく道が整備されています。ありがたい。

そうこうしていると、三ノ塔に到着しました。ご覧の通りの賑やかさです。

やや右奥に見えているピークが塔ノ岳です。あそこまで行かなければいけないのですが、結構遠く見えますね。

ここも展望抜群なので、もちろん富士山もくっきりと見えます。

個人的には、三ノ塔を過ぎてすぐが表尾根最高の展望ポイントだと思います。塔ノ岳に向かって伸びる美しい稜線、眩しい新緑、あの富士山ですら脇役にしてしまうほど魅力たっぷりです。

先を行く知らない方が思いっきり両腕を広げたくなる気持ちもよく分かります。最高かよ、って感じですよね。

景色が最高すぎて、なかなか歩が進みません。次のピーク、鳥尾山にもたくさんの人々がいるのがよく見えます。

ここからは急斜面をガツガツ下ります。稜線上のコースは景色が非常に良いので大好きなのですが、アップダウンが次々とやってくるのが難点ですね。体力と精神力をじわじわ削られていきます。

鳥尾山に到着。鳥尾山の山頂には三角屋根が特徴的な鳥尾山荘が佇んでいます。

鳥尾山は360度の展望が広がっていますが、特に南側の景色が気持ちよかったです。

まだまだ元気なので、先を急ぎます。この赤い葉っぱが色々なところにあり、印象的でした。

少し細い道が増えてきます。しかし、登山客は非常に多いので、すれ違いには苦労します。

パラグライダーが飛んでいました。気持ち良さそうです。私も昔一度やったことがありますが、真夏にも関わらず上空は涼しくて、景色は最高で、非常に気持ちよかったのを覚えています。

ちなみに、パラグライダーは上昇気流を捉えることで長い時間滞空するわけですが、私の時は上昇気流を捉えすぎて途中で酔いました。終盤は気持ち悪くて、早く降りたいなあと思ったのもいい思い出です。

行者岳。あまり記憶にないです。

行者岳を越えると、鎖場を降りる箇所が出てきます。ここで大行列ができており、ここを通過するのに15分程かかりました。人気の山に良い時期に来ると、こういう難点もあるのですね。まあ15分で済んででよかったですが。

向かいの登り返しをみて憂鬱になります。

危険そうな箇所はしっかり階段などが整備されています。本当に至れり尽くせりですね。

登り返しをもりもり登って振り返って見ると、歩いてきた稜線を眺めることができます。手前が行者岳鳥尾山、奥に見えているのが三ノ塔です。

政次郎ノ頭。ここも特に記憶ありません。

政次郎ノ頭からきつい登りを登り切ると、新大日です。この登りが個人的には一番キツかったです。

どうでも良いですが、メートルって漢字で書くと「米」なのに、米国だけメートルではなくマイルを使用しているのはなかなかの皮肉ですよね。

綺麗な白い花が咲いていました。あまり詳しくないですが、多分シロヤシオでしょうか。

木ノ又小屋はかき氷推し。5月とはいえ暑いですからね。誘惑に負けそうになります。

ちょうど谷筋が街に向かっていく構図が綺麗だなあと。

塔ノ岳へ最後の登り。あんなに小さく見えていた山頂の山小屋が、かなり大きくなってきました。

素晴らしい展望、賑やかな山頂の塔ノ岳

塔ノ岳山頂に到着です。ものすごくたくさんの人がいましたが、山頂が広々としているので窮屈な感じは全くしません。

立派な山頂標ですね。地図などではだいたい「塔ノ岳」と書かれていると思うのですが、「塔の岳」が正式なのでしょうか?

塔ノ岳山頂には尊仏山荘という立派な山小屋があります。

こちらでキンキンに冷えたコーラを買いました。登山中の冷たいコーラはもうほぼ麻薬の域です。麻薬の威力がどのくらいなのか知りませんが。

北側を見ると、丹沢のさらに奥地、丹沢山蛭ヶ岳を望むことができます。この約一年後、檜洞丸から丹沢主脈主稜をぶち抜く縦走をしましたが、この日塔ノ岳からの景色を見ていつか歩いて見たいと思い始めたのでした。

もう霞がひどすぎて、富士山はほとんど見えなくなってしまった西側です。

東側には歩いてきた稜線です。右側の三ノ塔のさらに向こう、奥に見えている大山の手前からここまで歩いてきました。縦走は歩いた後に稜線を一望する瞬間が最高だと、私は思います。

静かでのんびりとした、牧歌的な鍋割山へ

ご飯を済ませたら、鍋割山へ向かいます。鍋割山への道は、細かいアップダウンはありますが、基本的には非常に穏やかな道です。標高1300mの稜線上とは思えません。少し大きめの公園にある丘の散歩コースという感じですね

秦野の街の手前に見えている単調な稜線が大倉尾根です。こう見ると、確かにずーっと単調な登りが続く感じですね。

塔ノ岳鍋割山間はほとんど北側の展望がないのですが、1ヶ所だけ開けていた場所がありました。真ん中が蛭ヶ岳ですね。

そうこうしている間に、鍋割山に到着しました。

鍋割山山頂には、鍋焼きうどんで有名な鍋割山荘があります。残念ながら、この日はすでに営業終了してしまっていました。食べたい方は、早い時間に行くようにしましょう。

鍋割山山頂は広々とした芝生で、ピクニック気分になるには最適です。塔ノ岳と比べると人がかなり少なく、静かでのんびりできて良いです。ここで1日中お昼寝したいです。

大倉尾根が一望できます。大倉尾根の始点までこれから歩かなければいけないのですね…。結構遠いです。

一休みしたら、下山を開始します。前半は特に面白いところもない、急な下り坂を下りていきます。

高度をガッツリと下げた後は、涼しげな沢沿いの道なので楽しくなってきます。ただ、少しルートが分かりにくい場所がいくつかありました。今日のコースだと迷子になる可能性があるのはこの沢沿いルートくらいだと思います。

この頃には完全に頭から消し飛んでいましたが、沢沿いなのでヒルには気をつけたほうがよかったんでしょうね。結果的に被害を受けなかったのでよかったですが。

林道まで出てしまうと、後はお世辞にも楽しいとは言えない退屈な道です。

林道がとにかく長い。とにかくメンタル的にきついです。

緑しかないのですが、その中にすごくたくさんの色が含まれていて、コントラストが綺麗です。丹沢の新緑は本当に美しい。

ようやく公道まで戻ってきました。長い林道だった…

大倉のバス停まで来ると、人で溢れていました。鍋割山の方は人があまり多くなかったので、大倉尾根から下りてきた人が大半なのでしょう。

満員バスに乗り込み、渋沢駅に無事到着しました。この区間は距離が短いので、立ちでもそこまで辛くないです。

温泉に向かう途中、夕焼けが丹沢の山々を包んでいました。

小田急線で東海大学まで移動し、さざんかで温泉に入りました。写真撮り忘れたので、一年後に再訪した際の写真ですが。ここは露天風呂から丹沢の山々が見えるということが何よりも良いポイントです。

入浴後、駅前の中華料理店「粋」で食事をして帰路につきました。味が濃くて油が多い中華料理は登山との相性が良いと思っています。

まとめ

丹沢表尾根と言えば、都心部の登山者からすると鉄板の人気を誇ります。個人的にはあまり人混みが好きでないですし、天の邪鬼な性格でもあるので、鉄板と言われると避けたくなってしまうのですが、やはり鉄板の山にはそれだけの理由があることを実感しました。

美しい稜線をはじめとした素晴らしい景色

数々の山小屋をはじめとした充実した設備

少しメインの登山道から逸れれば、静かでのんびりした場所もあります。

そして、これらがアクセス抜群の場所にあるということも重要でしょう。とにかくコスパが良い山、と言われれば確かに丹沢になるなと思いました。

また一つ、私の地図に新しい頁が増えました。次の山行も幸せなものになることを祈って。

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