【プレビュー】2018Week21(ジュネーブ、リヨン)

ローママスターズの熱戦は続いており、今夜ナダルvsサーシャの決勝戦が行われます。

今クレーシーズン18勝1敗vs17勝2敗、第1シードvs第2シード、クレーキングvs次世代のNo.1候補筆頭。ここまで決勝戦にふさわしい組み合わせもなかなか無いでしょう。これだけ勝ち上がっているのに、デビスカップ以来顔を合わせていなかったのが不思議なくらいの成績です。

そんな中ではありますが、次の大会も始まります。全仏前最後の大会、ATP250のジュネーブとリヨンです。グランドスラムの前週かつマスターズ2週連続の直後ではありますが、なかなか興味深いエントリーリストとなっています。

ジュネーブ(スイス、ATP250、Red Clay)

2015年からドイツ・デュッセルドルフに代わって250シリーズとして開催されている大会です。ここ2年間は地元の英雄ワウリンカが2連覇中。復帰2大会目ではありますが、もちろん3連覇を狙いにきているでしょう。そのワウリンカは第3シードとして参戦します。

詳しいドローはこちらをご覧下さい。→Geneva draw

■クエリー山

トップシードの[1]クエリーはクレー勝率が通算勝率より1割以上低い、クレーが苦手な選手。一方、対抗シードの[6]ジョンソンは先月のヒューストンで優勝、ローマでも怪我明けとは言えワウリンカを破っており、どちらかと言うとジョンソン中心の争いとなるか。

ノーシード勢では今週のハイルブロンCHで決勝進出しているべゼリーに期待。体力が残っていれば、クレーに強い選手だけに上位進出も十分あり得る。

■ワウリンカ山

ここは何と言っても大会2連覇中、復帰2戦目の[3/WC]ワウリンカの状態に注目が集まる。ローマは初戦敗退となったが、全仏までに少しでも状態を戻しておきたいところ。初戦の相手はドナルドソンvsイストミンの勝者。普通であれば厳し目のドローだが、両者ともに今クレーシーズン未勝利と不調に喘いでおり、ここはしっかり勝っておきたいところだろう。

対抗シードは[5]ラモス・ビノラス。昨年のモンテカルロで準優勝を果たした生粋のクレーコーターであるが、今クレーシーズンはローマのR16以外、大きな結果を残せていない。全仏に向けて、復調の足掛かりとしたいところ。ノーシード勢も実力者揃い。誰が上位進出してもおかしく無い。

■フェレール山

出産のためツアーを離れていた[4/WC]フェレールもワウリンカ同様復帰2戦目。こちらも状態に注目が集まる。

対抗シードの[7]セッピは今シーズン絶好調。クレーシーズンでもモンテカルロR16、ブダペストSFと結果を残している。しかし、このセッピの初戦は、ブダペストSFでそのセッピを破り、予選から優勝まで駆け上がったチェキナート。この対決は1回戦No.1の好カードと言っていいだろう。

■フォニーニ山

ローマでティエムを破り、ナダルとフルセットの大熱戦を演じた[2/WC]フォニーニ。ナダル戦でも膝を気にする場面があったところは気がかりだが、身体に問題がなければ早期敗退は考えにくいだろう。

対抗シードは[8]ミーシャ・ズベレフ。昨年のこの大会ではSFで錦織を破り決勝進出したことを覚えている方も多いのではないか。クレーコートは苦手としているが、昨年はハーセ、イズナー、ジョンソン、錦織と厳しいドローを勝ち抜いた実力者であり、期待は大きい。

ノーシード勢ではヒューストン準優勝のサングレンに注目か。

■全体

上位シード勢に不確定要素が多く、誰が上位進出してもおかしくない。また、予選にはアリカンテCH→マラケシュと2週連続優勝も果たしているアンデュハルがおり、もし予選決勝に勝った場合、ドローのどこに入るかも注目だ。

リヨン(フランス、ATP250、Red Clay)

2017年から同じフランスのニースに代わって250シリーズとして開催されている大会です。昨年は地元フランスのツォンガが優勝しましたが、今年は残念ながら怪我のため欠場です。注目はやはり「誰がティエムを止めるのか」と言うことになるでしょう。

詳しいドローはこちらをご覧下さい。→Lyon draw

■ティエム山

このクレーシーズンで唯一ナダルに勝った男、[1]ティエム。クレーシーズンの成績は8勝4敗と、ナダル撃破のインパクトからすると若干物足りない感じもするが、負けた相手はナダル、サーシャ、フォニーニ、チチパス。いずれも素晴らしいパフォーマンスを見せた選手であり、これによってティエムの評価を著しく下げるべき結果ではないだろう。

対抗シードの[5/WC]マナリノは、クレーシーズン1勝のみと苦しんでいる。元々、守備力が高いのにクレーが苦手という不思議な選手ではあるが、リヨン、全仏と母国での大会が続くところでモチベーションは高いだろう。初戦の相手はクレーコーターのガルシア・ロペス。いきなり真価が問われることになる。

■ソック山

今シーズンは未だ5勝、トップ50相手の勝利は復帰戦だったフェレール相手の1勝のみ、同一大会複数勝利は未だ0、と絶不調を極める[3]ソック。初戦の相手はヒューストンで敗れたフリッツと今週釜山CHで優勝したエブデンの勝者ということでやや厳し目。とにかく何かきっかけを掴みたいところだろう。

一方、対抗シードは地元エストリルで優勝して波に乗る[7]J.ソウザ。マドリードで予選から勝ち上がってQFまで進出したラジョビッチとの対戦が予想される2回戦は大会屈指の好カード。

■チョン山

全豪でサーシャ、ジョコビッチを連続撃破するなど、今シーズン序盤の主役だった[4]チョン。マイアミの後、1ヶ月ほどツアーを離れており、復帰3戦目。プレースタイル的にクレーは強いと思われるので、ぜひ全仏への足掛かりとしてほしい。

対抗シードは[8]ミルマン。元々クレーコートを得意としている選手ではなかったが、今シーズンはブダペスト準優勝、エクス=アン=プロヴァンスCH優勝とクレーコートで躍動している。

ノーシード勢では地元フランスの[WC]Barrereが気になる存在。わずか2ヶ月前まで400位台だった選手が、チャレンジャー優勝1回、SF1回、フューチャーズ優勝1回を重ね、さらに今週もボルドーCHで決勝進出。ツアーレベルでは未勝利の選手だが、初勝利をここで上げる可能性も十分あるのでは。

■イズナー山

マイアミマスターズの覇者、[2]イズナーはビックサーバーの例に漏れずクレーコートは不得手。対抗シードの地元[6]モンフィスも最近目立った成績を残せておらず、ノーシード勢にも付け入る隙は十分にありそう。

ノーシード勢ではドイツのマーテーラーに注目。ミュンヘンではシュワルツマン、フチョビッチを破り4強入り。現在キャリアハイの67位まで上がってきており、モンフィスとの1回戦は非常に楽しみ。

■全体

優勝争いという意味では、ティエムが大本命であることは衆目一致するところだろう。チョンが今シーズン序盤の勢いを取り戻せるならば、強力な対抗馬となり得るか。当然、地元フランス勢が多い大会でもあるので、大声援を受けて躍進する選手が出てくる可能性も十分にある。

■ダブルス

リヨンには日本のマクラクラン勉が37歳の大ベテラン、マトコフスキと組んで第4シードとして出場。ツアー通算18勝の大ベテランから色々なことを学んでほしい。

なお、シングルスにはエントリーしていないキリオスが何故かダブルスだけ出場。相方はソックということで、エキシビションのような楽しい試合になることは間違いないだろう。

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