【南アルプス】日向山登山 爽やかな尾白川渓谷と天空の砂浜日向山、一度で二度美味しい欲張り旅行

2017年5月4日(木・祝)

GWの山梨登山旅行2日目、南アルプスの前衛である日向山とその麓の尾白川渓谷を歩きます。尾白川渓谷で渓谷の爽やかな空気を体中に浴び、日向山で天空の砂浜を堪能する、欲張りな旅の始まりです。

日向山(ひなたやま)
標高1660m。山梨百名山。南アルプスでも屈指の人気を誇る甲斐駒ヶ岳から枝分かれした尾根上にある前衛山。甲斐駒ヶ岳と同じく真っ白な花崗岩から成る山であり、山頂北側の雁ヶ原はその花崗岩のザレ場がまるで砂浜の様に見える絶景ポイントとして有名。登山行程やアクセスの易しさから、初心者にもオススメしやすい山である。

登山地図

山梨県、長野県、静岡県に跨る南アルプスの北東部、名峰甲斐駒ヶ岳のすぐそばに日向山は位置しています。街から一番近い山であるが故、非常に展望が良く、特に対面の八ヶ岳の姿を堪能できます。

道の駅はくしゅうを起点に尾白川渓谷を神蛇滝まで周回、その後日向山まで往復、というルートを辿りました。

道の駅はくしゅう(9:39)~尾白川渓谷駐車場(10:32)~旭滝(11:34)~神蛇滝(12:06)〜日向山登山口(12:53)〜矢立石(13:48)〜日向山山頂(15:20-16:23)〜矢立石(17:13)〜日向山登山口(17:49)~道の駅はくしゅう(18:54)
【所要時間】 9時間15分 (行動時間8時間12分 休憩時間1時間3分)

名峰に囲まれた白州の町と深緑に染まる尾白川渓谷

まず、本編に入る前に、私が日向山に訪れたのが5月4日なのですが、翌日5月5日の午前中に尾白川渓谷で9歳の男の子が登山道から滑落、川に転落して亡くなると言う事故が発生しました。確かに、尾白川渓谷の渓谷道はかなり危ない箇所がいくつかありましたが…ご冥福をお祈りするとともに、自分ごととして安全に登山をしなければと改めて感じました。

さて、初の二日連続登山です。どのくらい疲れが残っているのか、どのくらい足が動くのか、未知の領域です。

まずは甲府駅から韮崎駅まで移動します。韮崎駅はホームが少し高い所にあるので、良い眺めです。こちらは八ヶ岳…かと思いましたが、「偽八ツ」こと茅ヶ岳の方でした。

本物の八ヶ岳はこっちですね。まだ頂上付近は雪が残っているようです。

韮崎駅8:45発のバスで、尾白川渓谷に一番近いバス停、道の駅はくしゅうまで向かいます。ちなみに、最寄りのバス停といってもあれです、登山口まで徒歩1時間です…。本来、車で行くべき場所なんですね。まあバスがないなら歩いてやれ、の精神です。

バスに揺られること30分、道の駅はくしゅうに到着しました。駅では雲多めでしたが、綺麗な青空が広がってくれました。

ここでは、名水の持ち帰りができます。何と言っても南アルプスの天然水のふるさとですからね、美味しいお水が飲み放題です。登山用の水分をバッチリ補給させてもらいました。

気持ちの良い田園風景の中の道をてくてく歩いていきます。

そして素晴らしい山々に囲まれた風景が楽しめます。まずは振り返れば八ヶ岳

左を見れば少し雲はかかっていますが鳳凰三山

そして正面には、右側に今日登る日向山、中央には鋸山、そのすぐ左には甲斐駒ヶ岳が雲の脇から少し顔を出しています。

そんな気持ちの良い道を1時間程歩くと尾白川渓谷の駐車場に到着します。尾白川渓谷はキャンプ場も併設されており、GWということもあって大盛況のようでした。

尾白川渓谷日向山の地図です。今回は神蛇滝までを周回した後、日向山までピストンというコースを歩きます。

まずは安全を願って駒ヶ岳神社にお参りしておきます。50円もお賽銭したので、相当ご利益あるはずです。多分こんな邪念だらけの人間を守ってはくれないと思いますが。

神社を越えると、吊り橋が現れます。ここから尾白川渓谷の始まりです。

河原ではたくさんの人がくつろいでいます。ここで一日中ゴロゴロしていても幸せになれそうです。

まずは千ヶ淵。ここまではどんな靴でも全く問題なく来れます。

階段や崖横の道を進んで行くと、次のスポット三ノ滝に出ます。マップには特に表記がありませんでしたが、なかなか良い滝です。

よく見ると蜂の巣ですね。

このレベルの滝が平気でそこら中にあるので、ちょっと感覚がおかしくなってきます。ちなみに、三ノ滝から先はどんどん道が険しくなっていきます。間違っても、親子連れが適当な靴で進むのはやめた方がいいと思います。

旭滝は歩道からは滝が見えず、巨岩を下りて行かないといけません。岩が濡れているところも多く結構危ないですが、その代わり滝のすぐそばから見ることができます。水しぶきも滝風も、全身で滝を感じることができます。

百合ヶ渕。これがどこを指すのかはよくわかりませんが、眼下には綺麗な緑色の川が見えます。エメラルドグリーンというよりは深緑という感じですね。

周回コースの一番奥、神蛇滝まで来ました。この直前は崖のような所を登らされる上に道も分かりづらく、軽い気持ちで来るには危険すぎる場所だと感じました。事故が起きたのもこの辺りなのでしょうかね。

少し遠目にはなりますが、美しい三段の滝を見ることができます。ただ、三段のうち一番下は木に隠れてあまりよく見えないので、この写真は上二段だけです。葉があまりない冬場とかだと一番下までよく見えるかもしれません。

さて、まだ日向山登山が残っているのでさっさと戻ることにします。復路は尾根道を使いましたが、こちらは特に危険箇所も見所もありませんでした。純粋に神蛇滝だけ見たいのであれば、尾根道ピストンもありかもしれません。上の写真は、甲斐駒黒戸尾根登山道との分岐。標高差約2,200m、コースタイム9時間超という一言で言うと頭おかしいルートです。甲斐駒は普通に北沢峠から登ればいいと思いますが、怖いもの見たさに一度行って見たい気もほんの少しだけあります。

「天空の砂浜」日向山の絶景

さあ、本日のメインイベント、日向山登山の開始です。とはいえ、もうすでに13時。ちなみに道の駅はくしゅうからの最終バスが17:30頃なのですが、山頂までの往復コースタイムが約4時間半、ここからバス停までが約1時間、ということで8割方諦めていました。タクシー使うしかないかと。

矢立石。車ならここからスタート出来るんですよね。羨ましいです。

矢立石から先は露骨にバテました。初の二日連続登山に加え、午前の尾白川渓谷が思いの外ハードだったので、脚力を完全に使い切っていました。すれ違うちびっこたちに心配される始末…

そんな状況だったので、登っている途中の写真が全くありません。山頂は三角点以外何もなく、展望0です。

山頂を過ぎても、「天空の砂浜」感は皆無です。不安になるくらい、ひたすら熊笹だらけの登山道が続きます。

天空の砂浜は唐突に現れます。

天空の砂浜」こと雁ヶ原に到着しました。本当の山頂には山頂標がなかったのですが、こっちにはありました。

突然広がる展望、足元に広がる砂浜。言葉が出てこないくらい、感動の光景です。

右を見れば最高の開放感とその先には八ヶ岳

左を見れば甲斐駒ヶ岳の威風堂々とした姿。

甲斐駒ヶ岳の方に少し歩いていくと、富士山鳳凰三山の2ショットが拝めます。

やはりどこの山に登っていても、何回見ても、富士山が見えるとテンションが上がるのは誰もが納得するところかと思います。

日向山の不思議な地面と八ヶ岳。知らない人がちょうどいい位置に立っていてくれたので、いい感じの画になりました。

まるで超巨大蟻地獄のような斜面です。吸い込まれたら助からなさそうな雰囲気を醸し出しています。

結局、約1時間も頂上に滞在してしまいました。それでももっといたいと思ったくらい、本当に素晴らしい場所です。

徐々に暗くなって来たので、慌てて下山しました。登山道は特に見所があるわけでもないので一枚も写真はありません。全然バスには間に合いませんでしたが、道の駅はくしゅうまで歩き、タクシーを呼びました。

長坂駅までで3,000円ほど。ソロなので少しいたい出費ですが、あれだけ楽しめたので許容範囲内でしょう。23時過ぎに無事自宅にたどり着き、長く楽しい1泊2日の旅が終わりました。

まとめ

登山初心者を登山の世界に引きずりこみたかったら、ここに連れてくれば良いと思います。

美しい渓谷を手軽に楽しめる尾白川渓谷。(ただし、奥まで行くならしっかりとした装備は必須です。)

そして最高の景色が堪能できる日向山

これに魅力を感じられないのであれば、登山に没頭するのは難しいのでは、と思うくらい魅力が詰まった場所です。

南アルプスの前衛に位置するため、奥地の山よりは圧倒的にアクセスも良く、これだけ良い条件が揃っているのになぜ一般的にそこまで有名にならないのか不思議なくらいです。

また一つ、私の地図に新しい頁が増えました。次の山行も幸せなものになることを祈って。

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